2001年7月17日 兵庫県 Ｋ.Ｎ様
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K.Nさんは、STB-DAIBUTSUとPB-LOTUSを買っていただいたのをきっかけに、あまりにも素晴らしい音になったので、次はスピーカーにインシュレーターを使ってみたいというご相談を頂きました。
今まで40年間色々とやってきたけど、この度の大仏のように音が素晴らしく激変したのは初めてで、とにかく驚き以外のなにものでもない。
機器を買い換えることをしないで使いこなしのノウハウによって音を良くするという考え方に、我々消費者にしてみればこの上ない有りがたい事だとの弁。
それでは今回の東京の出張帰りにあらゆる物を一式積んで行きますのでクリニックをさせて頂きますということになった次第です。
早速ご自宅にお伺いし、3階のオーディオルームに案内され、その16畳ほどの洋間にはかなりの年季を感じさせる機器が沢山ありました。
プリアンプだけでアキュフェーズ、ロクサン、マークレビンソン。CDトランスポートはTL-1、DAコンバーターがエソテリックのD-3。アナログプレーヤーはマイクロの5000それにイケダの最高級トーンアーム。エンテックのスーパーウーハーetc。
周りをひとながめすると私には瞬間に「こういう音だろうなあ」と、大体の予想がつきます。大仏を買って以来CDは聴いていないという。
その直前までは、アナログも良い音がしないのでLPレコードは全部処分しようと思っていたそうですが、しかし今では処分しないでよかったというのが実感みたいです。
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オーディオラックの棚にはガラスを敷いてあり、このガラスというのは物を綺麗に見せるということにはとても良いのですが、こと音に関しては良い事は一つもありません。
ターンテーブルの脚の部分には中が空洞になったゴムのキャップを履かせてある。アンプやスピーカーにはすべてバナナプラグが沢山つけてある。
出てきた音は案の定、力がなく生気のない鳴り方である。
その上JBLの大型スピーカーがタンノイG.R.F.メモリーの前に塞ぐようにして置いてあるので、なおのこと音がぶつかり合って前に気持ち良く出て来ないので。
このような状態でスピーカーの下にインシュレーターを入れても充分に効果は出てこないので、出来るだけ力を減衰させるような物は外しましょうといって、色々とつけている物を外していき、とにかくそれぞれの機器の素の音で一回鳴らしてみて、その後何がどのような影響をしていたのか、一つ一つ確認を取っていくと判りやすい訳です。
面倒でも迷った時は一度基本に戻してみる事です。ペアーで60万円以上もする高価なホーンツイーターも十分に吟味してセットされた形跡は無く、これでは害のほうが多い状態です。スピーカーに重石となっており、箱の綺麗な響きを阻害してしまっているのです。いずれそのツイーターは生かして使う時がくるでしょうが、しばらくは外した状態で追い込んで行く事をお奨めいたしました。
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そうした後、ケーブル関係の方向を全てチェックしていきますと、10ｍほどあるプリパワー間のピンケーブルが反対でした。
そしてACケーブルも一つづつチェックしました。かなりハッキリした音になってきているのが容易に確認出来ます。ここで初めてインシュレーターのPB-BIGをスピーカーにセットして音だしです。
この時点でK.Nさんは充分に満足そううなのですが、私にとってはまだ全然満足ではありません。まだスピーカーを充分にドライブ出来ていません。電源まわりが弱いためです。
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そこでとっておきのACパワーディストリビューター(NIAGARA)を車まで取りに行く事にし、それぞれの機器をそれに差し込み音を出す。
ここでかなりのものになりました。チェロ、コントラバス、チューバ等の楽器の分離がやっと判るようになり、打楽器系のアタックが徐々にハッきり、しっかり、タイトになって来る。しかし長年ついている癖はなかなか取れません。
テンポの速い強弱の強いソフトを大きめの音量でしばらくかけてエージングの進行を早めます。5分、10分だんだんスピーカーが軽やかになってくるのが判る。
ここで最後の仕上げにタンノイとは特に絶妙の相性を持つスピーカーアタッチメントSP-8N(Perfect)をスピーカーに装着して今日のクリニックは終了です。
今日の結果の中でK.Nさんは第一段階として、PB-BIGを6個とスピーカーアタッチメントを購入するという結論を出されました。
そして第二段階として電源の強化を考えるということです。このような形で先の見通しを御覧に入れる方法で音の提案をさせていただきますと、安心して目標に向かって進む事が出来るので大変気持ちが楽であり、悶々としたものが取れて心がすっきりとしてなんだか晴れやかな気分だそうです。
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